墨田区向島。町のいじめられっ子・ミジンコ(江川将太)は、記憶障害を抱えながらも消防団の制服を着ると不思議とまともになる青年。彼が働く看板屋の主人で消防団の団長でもある藤吉清吉(塙宣之)は、妻を寝取られ、娘に家出され、パニック障害で電車にも乗れない変わり者。
そんな彼らを含む「墨田第七消防団」の七人は、皆それぞれに愛に敗れた過去を持つ。だが、火事場では命がけで街を守る、誇り高き“愛の敗者たち”だ。
ある日、由香里(壇蜜)という絶世の美女が街に舞い降りる。彼女の兄・武(片岡鶴太郎)は、かつて映画監督を志しながら隅田川沿いでホームレスとなり、溺死体として発見された。由香里はその身元確認のために下町へやってきたのだった。
由香里の登場により、消防団員たち(松村邦洋、他)は次々と恋心を爆発させ、街は騒然。やがて「由香里が来てから不幸が続いている」と魔女呼ばわりされる始末。
しかし、彼女こそが誰よりも傷つき、真実の愛を探していた存在だった。
物語は、ミジンコが由香里の兄・武の未完の映画シナリオを偶然手にしていたことから、意外な展開へ。
ラスト、由香里が再び下町に戻り、ミジンコは兄のシナリオを映画化する決意を固める。
「人生は誰もが愛の道草をくっている」——その言葉が、下町の空に静かに響く。

「愛の道草」製作委員会
2025/12/10
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